新年のご挨拶



あけましておめでとうございます


 組合員の皆様におかれましては、ご家族お揃いで希望に満ちた新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、年末年始を各職場で電力の安定供給をはじめ業務に従事されました方々におかれましては、大変ご苦労さまでした。また、この一年、組合の諸活動を担っていただいた組合員の皆様に心より感謝申し上げます。


<政治活動を振り返って>

 
昨年7月の参議院議員選挙は、四国電力総連の組織人員を上回る1万2千票余りの得票でもって、我々の「結束力ここに在り」ということを示すことができました。そしてまた、全国22万人の電力関連産業に働く我々の思いと力を「浜野よしふみ」の得票結果でもって、世に示すことができたものと思います。我々仲間のために火中の栗を拾う覚悟で立候補してくれた仲間の「浜野よしふみ」を、仲間の我々が力を合わせ支えることができたことは、組織の誇りであり組合活動の自信にもつながるものと感じています。あらためて皆様のご尽力に心より敬意を表します。この結果は、今後の「浜野よしふみ」の政治活動にとって、そして電力総連の諸活動にとって大きな力となります。さらには経済界、政界等への影響力にも繋がるでしょう。小林・浜野両組織内議員は、仲間の議員とともに、これから多くの難題に対してしっかりと組織内議員としての役割を発揮してくれるものと期待をしております。
 一方、昨年5月のいの町議会議員選挙では「伊東尚毅」氏と「筒井公二」氏、そして昨年11月の観音寺市ならびに阿南市の市議会議員選挙では、「井上浩司」氏、「住友進一」氏の4名全員が無事再選を果たすことができました。四国電力総連の組織内議員は、各組織や地域からの信頼と期待を受け、これからもしっかりと活躍されるものと思っています。組合員の皆様の引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
 また、本年4月には松山市議会議員選挙で、「武田浩一」氏が2期目に挑戦いたします。難しいとされる2期目ですが、組織を挙げて後援会活動に頑張っておりますので、さらなるご支援をよろしくお願いいたします。


<原子力の再稼働>

 
福島の原子力事故以降、早や3年が経とうとしています。エネルギー政策、環境政策などの抜本的な見直しを迫られる中、私たちの目標や進むべき道筋がよく見えない状況が続いています。とりわけ、原子力関連課題については、反対の立場をとる著名人の極端な主張やマスコミの偏向報道が見受けられるなど、未だにまともな議論ができる環境とは言い難いと思います。
 これらに対し私たちは、諦めてはいけないし右往左往してもなりません。世の中に対して、本質を見極めた冷静で論理的かつ現実的な議論により結論を導き出すよう粘り強く訴えていくことが必要です。
 エネルギー資源が少ない日本は、半世紀前に基幹電源として原子力を選択し、開発導入してきましたが、原子力と言えども、突き詰めれば過渡的なエネルギーです。未来永劫に使えるエネルギーという意味では、太陽光や太陽熱、風力、水力、地熱、波力、潮力といった太陽エネルギーを根源とした自然エネルギーでしかあり得ません。ただし、これらの自然エネルギーへの依存度を高めていくためには、質・量・コストのすべてをクリアーする見通しが立たねばなりませんが、現時点でこれらを達成するための技術は開発途上です。
 原子力依存度の低減を目指すことは自然な方向性ではありますが、そのためには安定した経済基盤のもとで原子力の代替エネルギー拡大のための技術開発を推し進める必要があります。したがって、まずやらねばならない重要なことは、日本の経済的基盤をしっかりとしたものにすることであり、安全性を確認した既設原子力発電所の有効活用が不可欠であるということは、至極真っ当な結論であると考えます。
 組合員の皆様には、推進か反対かという二項対立とならぬように留意しつつ、周囲の方々に粘り強く理解の輪を拡げる努力をお願いしたいと思います。引き続き「謙虚に正論を貫き行動する」取り組みをよろしくお願いします。


<災害のない健康で明るい職場を>

 昨年4月以降、電力総連大においては、14名(組合員2名、協力会社従業員12名)の死亡災害が発生しました。四国電力総連大では死亡災害はゼロでしたが、災害の発生件数全体で見ると高止まりで推移しています。労働災害撲滅の取り組みは出口の見えない永遠の課題かも知れません。しかし、あきらめずに安全の基本を繰り返し繰り返し徹底していくしか道はないでしょう。ただ、せめて重大災害、特に死亡災害は何としても防がねばなりません。
 安全に働くこと、健康に暮らすことは、組合員とその家族にとって一番大切なことであります。そのような職場環境をつくることは労働組合の最も重要な使命です。安全と健康は、いかなる状況にあっても優先されるべきものということを、全グループ企業の労使が高いレベルで認識を合わせておかねばなりません。協力会社等の労働者も含め職場で働く者全員の安全を、本当に強く意識しているか今一度深く考え、至らぬところを改めていく努力を怠ってはなりません。目配り・気配りに心がけ、職場で働くすべての人たちの安全と健康を、職場のみんなで守っていただきたいと思います。


<2014春季生活闘争>

 
連合方針は、月例賃金にこだわる闘いを進め、定昇・賃金カーブ維持相当分(約2%)を確保し、過年度物価上昇分はもとより生産性向上分などを賃上げ(1%)とし、加えて格差是正・配分のゆがみ是正(1%目安)の要求を掲げ、「底上げ・底支え」「格差是正」に全力をあげるとしています。
 電力総連は、賃金については、賃金カーブ維持分の確保に徹底的にこだわり、その上で加盟組合の実態に応じて、実質生活水準の維持・向上や賃金水準の格差是正・復元などをめざした1%以上の賃金改定に取り組むこととしています。
 また、賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、「年間4ヶ月を最低水準」とし、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態なども勘案した要求を行うとしています。
 これらの方針のもとで電力総連は、2月19日(水)に一斉に要求を行い、2014春季生活闘争が始まります。
 原子力発電所の動向が不透明なことや電力システム改革に関わる論議など、電力関連産業を取り巻く情勢は厳しい状況が続いていますが、厳しい状況であるからこそ、今後の経営基盤の安定に向けた事業運営について十分な論議を行い、生産性向上に向け労使が一体となった取組みを進めていくことが必要であります。
 こうした取組みを進める中で、付加価値を生み出し企業の持続的成長に繋げ、そして生産性三原則に基づく公正な配分を求めていくということは、これまでもこれからも変わらぬ労働組合の基本スタンスであります。産別と加盟組合の連携のもとで、それぞれの役割をしっかりと果たし、結果を出していこうではありませんか。


「労使協創で高い塔を建てる」

 
昨年、小惑星探査機「はやぶさ」の開発プロジェクトリーダーを務められた川口淳一郎氏のお話を聴く機会があり、心を揺さぶられた言葉を引用させていただきます。「今見えているものは、すべて過去のものである。まだ見えていない未来を探せ。できない言い訳ではなく、できる理由を考えよ。高い塔を建ててみなければ、新たな地平線は見えてこない・・・。」
 今、電力関連産業は、これまでに経験したことのないような大転換の時代の真っ只中に置かれています。過去を踏襲していては乗り越えられない課題が多く出てくるでしょう。組合員の皆様、仲間とともに勇気を出し、少し無理をしてでも、私たちの目指すべき目標として高い塔を建てて、新たな地平線を見てみましょう。そこには、難題がたくさん見えるかもしれませんが、きっと夢や希望も見えるに違いありません。怖がらずに挑戦し、「労使協創」で高い塔を建て登ってみましょう。
 今年は、「はやぶさ2」の打ち上げが予定されています。小惑星1999JU3に行き地球に帰還するのは東京オリンピック開催年の2020年だそうです。


 今年の十二支は「午」ということで、ウマに因んだことわざに「人間万事塞翁が馬」があります。「人生における幸不幸は予測しがたいもの。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりすることはない。」ということです。何事にも動じることなく、明るく元気よく、前向きで活力が溢れる一年にしようではありませんか。

 最後になりますが、組合員の皆様とご家族の安全と健康をご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

四 国 電 力 総 連 
会  長   杉 村  和 洋



四 国 電 力 総 連
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