エネルギー政策について理解活を深める
連合四国ブロック 施設見学会を実施

高速増殖炉『もんじゅ』にて

 四国電力総連は、連合四国ブロック(各県の連合会長・事務局長他)と毎年開催している原子力施設見学会を、10月28日(日)~29日(月)に実施した。
 今年は、福井県敦賀市にある「日本原子力研究開発機構 高速増殖原型炉もんじゅ」ならびに、兵庫県神河町の「関西電力㈱大河内揚水発電所」の施設見学を行うとともに、現地職員の方との意見交換会を実施した。


大河内揚水発電所
 「高速増殖炉もんじゅ」は資源小国の我が国がこの課題を解決するための高い可能性を有する技術として、半世紀にわたり国策として官民を挙げて開発しているものである。

 高速増殖炉の特徴は、発電しながら、核分裂しないウランから核分裂するプルトニウムを増殖するものであり、限りある輸入ウラン資源に頼ることなく、準国産のエネルギー資源を週十世紀以上にわたって確保できるメリットがある。

 このため、長期的かつ継続的なエネルギーの安定供給が可能で、資源小国の我が国にとって必須の技術であり、早期の実用化が望まれるものである。

 もんじゅはこれまでに、「ナトリウム漏えい事故」や「炉内中継装置(燃料を変換するための設備の一部)の落下トラブル」が発生しているが、再発防止対策も完了し、いつでも運転再開が可能である状態となっており、国の運転再開の判断を待っている状況である。
「高速増殖原型炉もんじゅ」施設見学の様子


大河内揚水発電所
 兵庫県市川水系の一つ、太田川上流に太田ダム(上部ダム)、犬見川中流に長谷ダム(下部ダム)を設け、その高低差394.7mを利用して最大128万kWの発電をおこなっている。純揚水式発電所で、発電所は地下280mに作られていおり、森林や住居に配慮した環境的施設であった。
↑  見学の様子  ↓
地下発電所

 揚水発電は、夜間のゆとりある時間帯の電気(主に原子力発電)を使って上部ダムに水をくみ揚げておき、電気が多く使われる昼間にその水を下部ダムへ落として発電するもので、原子力発電を有効運用するためには欠かせない発電所である。つまり、揚水発電は大きな蓄電池の役割を果たしているようなものである。

 また、今後太陽光や風力など新エネルギーを利用した発電の普及が見込まれており、新エネルギーを利用した発電では、天気や風などの気象条件の変化に応じて、発電する電気の量が刻々と大きく変化する。発電する電気の量を容易に調整できる揚水発電は、この変動分を調整することができるため、その重要性がますます高まっていくことが判った。



四 国 電 力 総 連
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